メールに添付したPDFが「容量オーバーで送れない」、クラウドに上げようとしても「アップロードに時間がかかる」――そんな経験はありませんか?PDFは便利ですが、写真や図表が多いとすぐにサイズが大きくなりがちです。
そこで本記事では、完全無料かつ Windows・Mac・スマホで手軽に使えるPDF圧縮ツールを厳選し、操作手順と仕上がりのポイントを分かりやすくまとめました。
圧縮後の画質や回数制限まで比較しているので、読み終わる頃には「自分に最適な方法」がすぐに見つかります。それでは早速チェックしてみましょう。
無料で使えるPDF圧縮ツールとサービス
無料でPDFを圧縮するには、大きく分けてオンラインサービスとオフラインソフト(PC用アプリ)の2種類があります。さらに、スマホでも利用可能な方法があります。以下に主なツールを紹介します。
オンラインで使える無料PDF圧縮サービス
インターネット上で動作し、インストール不要で利用できるPDF圧縮サービスです 。ブラウザさえあればWindows/Macはもちろん、スマホからでもアクセスできます。
Adobe Acrobat オンライン
PDF開発元Adobe社による公式圧縮ツールです。会員登録不要で使え、圧縮レベルを「高・中・低」から選択可能 。画質優先の圧縮もできるため、品質にこだわりたい方におすすめです。

iLovePDF
世界中で利用されている人気のオンラインPDF編集サービスです。日本語対応しており、圧縮はもちろん結合・分割・変換など幅広い機能を備えています。直感的な操作性で初心者でも手軽に使え、無料版でも基本機能は十分利用できます 。複数ファイルの一括圧縮にも対応しており 、用途が広いのも特徴です。

Smallpdf
スイス発のオンラインPDFツールで、世界中で広く使われています。こちらも日本語サイトがあり使いやすく、PDF圧縮だけでなくPDF⇔Wordや画像変換など多彩な機能があります 。無料版で基本機能を利用できますが、プレミアム版にアップグレードすると回数制限などが解除され、より多くの機能が使えます 。

楽々PDFメーカー
安心の国産オンラインPDFツールです。完全に無料で会員登録も不要、PDFの結合・分割・圧縮・OfficeファイルからPDF変換などが可能です 。操作手順もシンプルで、圧縮したいPDFを1つ選んで実行ボタンを押すだけで処理が完了し、自動的にダウンロードされます 。日本語インターフェースなので英語が苦手な方でも安心して利用できます。
PDF24 Tools
ドイツ製の無料PDFサービスです。オンライン上で圧縮や結合など一通り可能ですが、特徴としてオフライン版のデスクトップアプリ(PDF24 Creator)も提供されています 。インストールすればインターネット非接続でも利用でき、プライバシー重視のユーザーに適しています 。多機能ながら全て無料で使える点も魅力です。

HiPDF
Wondershare社が提供するオンラインPDF圧縮・編集ツールです。余計な設定が少なくシンプルな操作性が魅力で、初心者におすすめされています 。画像圧縮やPDF変換など機能も豊富です。日本語対応こそしていませんが、直感的なUIで扱いやすいでしょう。
オフラインで使える無料PDF圧縮ソフト(Windows/Mac)
ソフトをPCにインストールして利用する方法です。インターネットに繋がなくても使えるため、機密性の高いPDFを扱う場合でも安心です 。代表的な無料ソフトを紹介します。
CubePDF(Windows)
国産の無料PDF作成ソフトで、仮想プリンターとして動作します 。PDF閲覧ソフトから印刷の際にプリンターに「CubePDF」を指定し、「画像をJPEG圧縮」「Web最適化」にチェックを入れて保存することで、PDFを軽量化できます 。例えば88.8MBのPDFが6.11MBまで圧縮できた実績があります 。余分なフォント情報の削除なども行われ、手軽に効果を出せる方法です。

PDF24 Creator(Windows)
上述のPDF24 Toolsのデスクトップ版です。インストールすると仮想プリンター機能や専用の圧縮機能が使えます。画像品質など詳細設定も可能で、自分のPC内で完結して圧縮処理できる安心感があります 。Windows 7以降に対応し、2025年現在も更新が続いています 。

プレビュー(Preview)(Mac)
Macに標準付属のアプリで追加ソフト不要です。開いたPDFを「ファイル」→「書き出す(エクスポート)」からQuartzフィルタ「Reduce File Size」を選択して保存すると圧縮版PDFが作成できます 。標準機能だけで完結するお手軽な方法です。画像が少ないPDFでは効果が小さい場合もありますが、その場合は「最適化PDFを作成」にチェックを入れて再度保存すると改善することがあります 。
スマホ(iOS/Android)でPDFを圧縮する方法
スマートフォンしか手元にない場合でもPDFの容量を減らす方法があります。基本的にはスマホ向けの専用アプリを使う方法か、PC同様にオンライン圧縮サービスをスマホのブラウザで使う方法になります。
iPhone (iOS)
iPhoneでは標準アプリの「ファイル」を使ってPDFを圧縮(ZIP化)できます。ファイルアプリで該当PDFを長押しし「圧縮」を選ぶと、同じ場所にZIPファイルが作成されます (元のPDF自体が直接軽くなるわけではなくZIP形式になります)。ZIPにすることでメール添付しやすくなりますが、送付先で解凍が必要です。より簡単なのは、Safariで先述のSmallpdfやiLovePDFのサイトにアクセスし、PDFをアップロードして圧縮→ダウンロードする方法です 。専用アプリを使う場合は、App Storeで「PDF圧縮」「PDF Compressor」などと検索すると複数出てきます。例として「PDF Compressor」や「PDF Squeezer」といった無料アプリがあります 。アプリをインストールし、指示に従ってPDFを選び圧縮処理をすればOKです。
Android
Androidの場合、ファイルマネージャーアプリでPDFをZIP圧縮する機能がある機種もあります。またGoogle Playストアで「PDF圧縮」などと検索すると多数のアプリ(例:「PDF Compressor」「Compress PDF File」等)が見つかります。基本的な使い方はiPhone向けと同様で、アプリ上でPDFを選択し「Compress」ボタンを押すだけです。加えて、スマホのブラウザからオンライン圧縮サービスを利用することも可能です。iLovePDFや楽々PDFメーカーなどはスマホの画面サイズにも対応しており、アプリ不要でそのまま圧縮できます。圧縮後のファイルをスマホにダウンロードすれば、そのままメール添付や共有ができます。
メモ: スマホアプリを利用する際は、圧縮後のPDFファイルの保存場所(端末内かクラウドか)や、自動でPDFを上書きするか新規保存するかなど挙動がアプリにより異なります 。初めて使うアプリでは圧縮後のファイルの扱いを確認し、必要に応じてリネームや移動をしましょう。
各ツールの違い
無料ツールといっても、それぞれ圧縮できるファイルのサイズや回数、圧縮後の品質に違いがあります。主なポイントを比較します。
圧縮レベル(画質設定)の有無
Adobeのオンライン圧縮では「高品質(圧縮率低)」「中」「低品質(圧縮率高)」の3段階から選べます 。iLovePDFもアップロード後に「推奨」「極限圧縮」「低圧縮」のように圧縮強度を選択可能で、それによってファイルサイズと画質が変化します 。
Smallpdfは無料版では自動的に標準圧縮が行われますが、有料版ではより強力に圧縮するモードも利用できます。圧縮率を上げるほど画像の劣化が起こりやすいため、重要な図面や写真が含まれるPDFは中程度の圧縮に留めるなどの工夫が必要です 。圧縮後は必ず内容を確認し、文字が読めるか、画像が荒くなり過ぎていないかチェックしましょう 。
ファイルサイズ上限
オンラインサービスでは無料で扱える1ファイルのサイズ上限が設定されている場合があります。例えばiLovePDFの無料版では圧縮の場合200MBまでのPDFが処理可能です (結合・分割は100MBまでなど機能によって異なる制限があります )。
Smallpdfの無料版も明確なサイズ上限は公表されていませんが、大容量ファイルは有料プランでの処理が推奨されています。楽々PDFメーカーでは公式にサイズ制限は明記されていませんが 、非常に大きなPDFは処理に時間がかかる場合があります 。いずれの場合も、数百MBを超えるようなPDFは圧縮に時間がかかったりエラーになる可能性があるため、可能なら100MB前後以下に分割してから圧縮すると良いでしょう。
回数制限や待ち時間
一部のオンラインサービスでは、無料ユーザーは一定回数以上連続で利用できない仕様があります。Smallpdf無料版が典型で、「1時間に2ファイルまで」という利用制限があります 。3つ目の処理を行おうとすると1時間待つ必要があります。iLovePDFは無料版でも時間当たりの処理回数に制限はありません ので、連続で何度も使えます。
この違いから、大量のPDFを次々と圧縮したい場合はSmallpdfよりiLovePDFの方が向いています。またSmallpdfでも無料アカウント登録をすれば多少制限が緩和される場合がありますが、基本的にはヘビーユースするなら有料プラン契約が必要です 。
透かし(ウォーターマーク)
多くの無料圧縮サービスは、圧縮後のPDFに余計なロゴ等の透かしを入れることはありません(iLovePDFやSmallpdf、Adobeオンラインはいずれも透かしなしで利用可能)。ただし、無料体験版のソフトには注意が必要です。
例えばPDFelement(有料ソフトの体験版)では保存時に透かしが入るほか、ページ数などにも制限がかかります 。本記事で紹介しているような純粋な無料ツールを使えば透かしは基本付与されないので安心してください。
まとめ
PDFを無料で圧縮する方法として、オンラインサービスからPCソフト、スマホアプリまで様々な選択肢があります。初心者の方はまず手軽なオンライン圧縮サービスを試し、必要に応じてオフラインソフトやスマホアプリも活用してみてください。
ツールごとの特徴(操作の簡単さや圧縮設定の有無、制限事項など)を理解し、自分の用途に合った方法を選ぶことで、PDF管理がぐっと快適になります 。本記事を参考に、自分に合ったベストなPDF圧縮方法を見つけてみましょう。