「マニュアルPDFから操作動画をワンクリックで開きたい」
「報告書PDFと裏付けデータのExcelをひも付けたい」
――そんなときはPDFにハイパーリンクを仕込めば一発で解決します。しかもAdobe Acrobatを買わなくても、無料ツールだけで十分に実現可能です。
本記事では初心者でも迷わないよう、Windowsを中心にMac補足を交えつつ、Word・Excel・動画ファイルなどをPDFとリンクで関連づける最短ルートを紹介します。
PDFと他ファイルをリンクで関連づける仕組み

まずリンクを埋め込む基本原理ですが、PDF上に「ハイパーリンク」というクリック可能な領域を作り、そこに開きたいファイルやWebページのパス(URLなど)を関連付けます。
リンクを作成するタイミングとしては、大きく分けて2つあり、以下で順に見ていきましょう。
- PDFに変換する前の元文書上(WordやExcelの時点)で設定する方法
- PDFに変換した後でPDF自体に追加する方法
方法① Word/Excelでリンクを設定してからPDFに保存す
もしリンクを挿入したいPDFの元データをWordやExcelで編集できる場合は、PDFに変換する前にその文書上でリンクを設定するのが簡単です。WordやExcelではテキストや図形に対して他のファイルやWebサイトへのハイパーリンクを挿入できます。
- Word文書内でリンクにしたい文字列を選択
- メニューの「挿入」→「リンク」をクリックし、ハイパーリンク設定ダイアログを開く
- そこでリンク先として目的のファイルやウェブURLを指定する
- リンク先には他のWord/ExcelファイルやPDF、動画ファイルのパス、あるいは「http://~」で始まるウェブ上のURLなどを設定できます。
重要なポイント
重要なポイントはPDFへの変換方法です。印刷機能ではなく「エクスポート」や「名前を付けて保存」でPDF化するようにしてください。
Microsoft Officeの印刷機能(仮想プリンタの「Microsoft Print to PDF」等)で作ったPDFではリンクが機能しませんが、Officeのエクスポート機能でPDFに変換すればハイパーリンクが保持されます。PowerPointやExcelからPDFにするときも同様です。
保存後にPDFを開き、設定した箇所がクリックできるリンクになっているか確認しましょう。
方法② 既存PDFに後からリンクを追加(無料ツールで可能)
PDFしか残っていない場合でも心配はいりません。オンラインエディタやフリーソフトを使えば、あとからリンクを貼ることができます。ここでは代表的な無料ツールの操作イメージを先に掴み、後述の具体的手順をスムーズに理解できるようにします。
PDFescape(オンライン)

- PDFescapeサイトで「Upload PDF」を選びPDFを開く
- メニュー[Insert]→[Link]をクリックし、ドラッグでリンク範囲を描画
- 表示されたダイアログにリンク先URLまたはファイルパスを入力し保存
- 右側の「Save & Download」で完成PDFを取得
Smallpdf/Sejdaなど


SmallpdfはPDFをWordに変換→Word側でリンク設定→再度PDF変換という裏技も紹介しています。Sejdaも画面構成は似ており、ツール選択→リンク範囲指定→リンク先入力→Apply→Downloadの流れです(無料版は1日3ファイル・50 MBまで)。
LibreOffice Draw(オフライン)
PDFをDrawで開き、テキストや画像を選択→[挿入]→[ハイパーリンク]で任意パスを入力し、再度PDFとしてエクスポートします。リンクは保持されるものの、複雑レイアウトのPDFでは若干の崩れが出ることがあります。
まとめと次のステップ
- 元データがあるならOffice上でリンク設定→PDF化が最も簡単
- PDFしか残っていない場合はPDFescapeなど無料オンラインエディタでリンクを後付け
- ローカルファイルは閲覧者の環境を選ぶため、可能な限りクラウド共有リンクに置き換える
以上、PDFから他ファイルへのリンクを無料で設定する方法を解説しました。難しく感じるかもしれませんが、手順自体は挿入したい箇所を選んでリンク先を指定するだけとシンプルです。
有料のAdobe Acrobatを使わなくても、今回紹介したように無料のオンラインサービスや身近なツールで十分に対応できます。ぜひ本記事を参考に、PDFと関連ファイルのリンク設定に挑戦してみてください。