PDFにさっとマーカーを引いたり、あとで見返せるメモを残したり──
紙の資料では当たり前にしていたことを、PDFでも無料で簡単にできたら便利ですよね。
実は、高価なソフトを買わなくても、ブラウザや無料アプリだけで ハイライト・コメント・スタンプ といった注釈を追加できます。
本記事では、PC操作に自信がない初心者の方でもすぐ試せる無料ツールを厳選し、手順をやさしく解説します。資料のチェックや共有がもっとスムーズになるコツを、ぜひ一緒に確認してみましょう。
PDFの「注釈」とは何か?初心者にもわかりやすく解説
PDFにおける注釈(コメントやハイライトなど)とは、元のPDF内容を変更せずにメモ書きや強調表示などの付加情報を追加することです。紙の書類にマーカーでラインを引いたり付箋を貼ったりするイメージに近く、デジタル上で強調表示(ハイライト)を引いたり、コメントを付けたり、スタンプ(判子のような印)を押したりできます。注釈を活用すれば、PDFの内容に対して後から確認事項や修正指示を書き込めるので、テレワークでの資料レビューや電子契約書の確認作業にも役立ちます。
ハイライト(マーキング) | 重要なテキストを蛍光ペンのように色付けして強調し、読者に注目させます。 |
コメント(ノート注釈) | 吹き出しやメモを追加して補足説明や指摘を書き込めるため、校正やレビューに便利です。 |
スタンプ | 「承認済み」「却下」「要確認」などの電子スタンプを押し、書類のステータスを一目で示せます。 |
💡ポイント: 注釈を付けても元のPDFデータは改変されないので安心です。相手にPDFを渡す際に注釈付きのまま共有したり、注釈を非表示にして通常通り閲覧させたりすることもできます。
それでは、これから無料で使えるPDF注釈ツールを3つ紹介し、それぞれの特徴と基本的な使い方を見ていきましょう。どれもインストール不要または無料で利用できるものばかりなので、気軽に試してみてください。
無料ツール1:Adobe Acrobat オンラインでPDFに注釈を追加する
最初に紹介するのは、Adobe(アドビ)社が公式提供しているAcrobatオンラインです。これはWebブラウザー上で動作する無料のPDF編集ツールで、ソフトをPCにインストールしなくてもすぐに使えま 】。PDFの開発元であるAdobe公式という安心感もあり、初心者の方にもおすすめです。
Acrobatオンラインでできる主な注釈機能:
機能 | 概要・使い方 |
---|---|
テキストのハイライト表示・下線 | 選択したテキストにマーカーで色付けしたり、下線を引いて強調できます。 |
コメントの追加 | 吹き出しアイコンを使って任意の箇所にコメントを挿入できます。入力したコメントはPDF画面の右側に表示され、複数行のメモも可能です。 |
テキストボックスの挿入 | PDF上の任意の位置にテキストボックスを描画し、直接文字を書き込めます。簡単な補足や追記を入れるのに便利です。 |
手書きのフリーハンド描画 | ペンツールで自由に線や丸印を描いたりできます。色や線の太さも変更可能です。 |
取り消し線 | 誤りや削除予定の箇所に取り消し線(打ち消し線)を引けます。 |
Acrobatオンラインで注釈を入れる手順
- PDFファイルをアップロードする: Acrobatオンラインの「PDFをオンラインで編集」ページにアクセスし、「ファイルを選択」ボタンから注釈を入れたいPDFを選びます。ファイルをドラッグ&ドロップで画面に直接置くことも可能です。
- 無料ログイン(必要に応じて): PDFが読み込まれたら、画面上に編集ツールが表示されます。Adobe IDやGoogleアカウントなどでログインすると、編集内容をクラウドに保存したり共有用リンクを発行したりできます(※ログインしなくても注釈機能は試せます)。
- 注釈ツールを選択する: 画面左側に注釈用のツールバーが表示されています。ハイライト用のペンアイコン、コメント用の吹き出しアイコン、「T」マーク(テキスト入力)などから使いたい機能をクリックします。
- PDF上で注釈を追加する: ツールを選択したら、実際にPDFの内容上でハイライトしたい文字列をドラッグしたり、コメントを入れたい箇所をクリックしたりして、注釈を追加します。例えばコメントアイコンをクリック後、PDF内の任意の場所をクリックすると吹き出しマークが現れ、画面右側にコメント入力欄が表示されます。テキスト入力ならテキストボックスが挿入されるので文字を入力しましょう。
- 編集結果を保存・共有する: 必要な注釈をすべて入れ終わったら、「保存」して完成です。ログイン状態であれば、画面上部の共有ボタンからリンクを共有することも可能です。リンク共有を使うと、相手にPDFファイルを送らなくてもオンライン上でレビューしてもらうことができ、複数人が同時にコメントを書くこともできます。
無料ツール2:GoogleドライブでPDFにコメントを入れる
続いてはGoogleドライブを使った方法です。実はGoogleドライブ上でPDFファイルをプレビューすると、そこにコメントを書き込む機能が備わっています。Googleアカウントさえあれば追加のソフトは不要で、ブラウザだけで利用できる手軽な方法です。
GoogleドライブのPDFコメント機能の特徴:
複数人での同時レビュー | Google ドライブで共有した PDF に複数メンバーが同時アクセスし、それぞれコメントを付けられます。Google ドキュメントと同様の感覚で共同レビューが可能です。 |
手順が簡単 | コメントしたいテキスト範囲をドラッグして選択し、吹き出しに「+」が付いた コメントを追加 アイコンをクリックするだけでコメント入力欄が表示されます。選択箇所がハイライトされるので対象が明確です。 |
コメントの保存と通知 | 入力したコメントは PDF に紐づいて保存され、共有相手に通知されます。メンション(@ユーザー名)で特定の相手に対応依頼もでき、コメントスレッドで簡易ディスカッションが行えます。 |
PDF にも反映可能 | Google ドライブ上で付けたコメントは PDF をダウンロードしても注釈として残ります。Adobe Acrobat など他の PDF 閲覧ソフトでもコメントを確認しながら修正作業が可能です。 |
GoogleドライブでPDFにコメントする手順:
- PDFをGoogleドライブにアップロード: 自分のGoogleドライブに注釈を入れたいPDFファイルをアップロードします。すでに共有されているPDFであればそのまま次の手順へ進みます。
- PDFをプレビュー表示: ドライブ上のPDFファイルをダブルクリックすると、ブラウザー上でPDFのプレビュー画面が開きます。
- コメントを追加: プレビュー画面の右上にある「💬コメントを追加」ボタンをクリックします。次に、PDF内でコメントを付けたいテキスト部分をドラッグして選択しましょう。選択すると吹き出しのアイコンが表示されるので再度クリックすると、コメント入力用の小さなウィンドウが現れます。「ここにコメントを追加」と書かれた欄に伝えたい内容を入力してください。
- コメントの投稿: 入力が終わったら「コメントを追加」ボタン(投稿ボタン)を押せば、その箇所にコメントが保存されます。入力済みコメントはプレビュー画面右側のコメント一覧にも表示されます。
- 他ユーザーと共有・確認: そのPDFを他のユーザーと共有していれば、相手はあなたの付けたコメントを閲覧できます。コメントに対する返信や解決(完了済みチェック)も相手側で行ってもらえます。必要に応じてコメント内で「@名前」でメンションを付け、特定の人に対応依頼することもできます。
無料ツール3:PDF24(オンライン/デスクトップ)でPDFに注釈を付ける
3つ目に紹介するのは、PDF24という無料のPDF総合ツールです。PDF24はドイツ発の無料サービスで、オンライン上のWebツールとしても、Windows用のデスクトップアプリ(PDF24 Creator)としても提供されています。注釈の追加ももちろん可能で、特にテキストのハイライトやコメント、スタンプ的な画像挿入まで対応しているのが特徴 3】。
PDF24オンラインツールで注釈(インストール不要・ブラウザで完結)
インストールを避けたい場合は、公式サイト上のPDF24オンライン注釈ツールを使いましょう。ブラウザで開いてPDFファイルをアップロードすれば、その場で編集ができます。
- 対応機能:テキストのハイライト(蛍光ペン)、テキストボックス追加、図形描画(四角や丸を描く)、矢印や線の描画、画像の貼り付けなど多彩な注釈手段が用意されています。必要に応じてフリーハンドで書き込みも可能です。
- 使い方:サイトにアクセスするとすぐにファイル選択画面が表示されるので、注釈を入れたいPDFをドラッグ&ドロップするか「ファイルを選ぶ」からアップロードします。PDFが表示されたら、上部または側面のツールバーからハイライトやテキスト等のアイコンを選び、PDF上の編集したい箇所をクリックするだけで注釈を追加できます。例えば文字をドラッグしてハイライトボタンを押すと、その部分に黄色などのマーカーが引けます。テキストを追加したい場合は「T」マークのテキストツールで任意の場所をクリックし、文字入力ができます。スタンプ代わりの画像を貼り付けることも可能で、「画像挿入」機能を使って「承認」スタンプの画像ファイル(※自作も可)を配置すればスタンプ注釈のように使えます。
- 保存:編集が終わったら「PDFを保存」ボタンをクリックして、注釈付きのPDFファイルをダウンロードします。これで元のPDFに注釈が追加された新しいファイルが手に入ります。すべてブラウザ上で処理が完了し、作業後ファイルは自動的にサーバーから削除されるため安全性も確保されています。
PDF24デスクトップ(PDF24 Creator)で注釈(Windows向けソフト)

もしWindowsユーザーでオフラインでも使えるソフトを探しているなら、PDF24のデスクトップ版「PDF24 Creator」がおすすめです。こちらは完全無料のソフトで、一度PCにインストールすればインターネット接続がない環境でもPDF編集・注釈追加ができます。
- 豊富な編集機能:PDF24 CreatorはPDF編集に関する幅広い機能を備えていますが、中でも注釈機能も充実しています。テキスト内容の変更や画像の追加はもちろん、コメントの挿入、テキストのハイライト表示、スタンプの追加といった注釈付けも可能です。例えば「承認済み」「秘密」といった印影をスタンプとして押すこともできます。
- 使い方の概要:ソフトを起動して注釈を付けたいPDFを開き、上部メニューから注釈(コメント)モードやハイライトツールを選択します。あとはオンライン版と同様、PDF上でマウス操作をすることでコメントボックスやハイライトマーカーを追加できます。直感的に操作できるよう工夫されており、慣れればサクサクと注釈を入れられるでしょう。
無料のAdobe Acrobat Reader DCでも注釈可能(補足)
最後に補足ですが、もし既にAdobe Acrobat Reader DC(無料版)をPCにインストールしている場合は、それを使ってもPDFに注釈を追加できます。Adobeの無償PDF閲覧ソフトであるReader DCでもハイライトやコメント挿入、スタンプ押印が可能です。具体的には、表示メニューの「注釈」ツールを開くとハイライト用のペンやコメント用の付箋アイコン、スタンプツールが利用できます。特にスタンプツールでは「承認済み」「ドラフト」など予め用意されたスタンプ画像をワンクリックで押すことができるので、ビジネス文書の確認印にも活用できます。
まとめ:無料ツールを活用してPDF注釈を快適に!
初心者の方でも無料のPDF注釈ツールを使えば、難しい操作なしにPDFファイルへハイライトやコメントを書き込むことができます。今回紹介した Adobe Acrobatオンライン、Googleドライブ、PDF24 のいずれも特徴が少しずつ異なりますが、ご自身の用途に合った方法を選べば良いでしょう。
- 手軽さ重視なら Acrobatオンライン や Googleドライブ(インストール不要)。
- コラボ作業が多いなら Googleドライブ(複数人で同時レビュー向き)。
- 多機能な編集もしたいなら PDF24(総合ツールとして便利)。
- オフラインやスタンプ利用なら Acrobat Reader DC や PDF24デスクトップ。
まずは身近で使いやすそうなものから試してみてください。注釈を活用すれば、紙に印刷して赤ペンで修正…という手間を省き、すべてデジタル上で完結できます。資料の確認やフィードバック作業がスムーズになり、業務効率もアップするはずです。
PDF作業をもっと効率化したい方へ:楽々PDFメーカーのススメ 🖥️
複数のPDFツールを使い分けるのが面倒だと感じる方や、PDFの編集・変換を一ヶ所でまとめて行いたいという方には、無料の国産オンラインPDFツール「楽々PDFメーカー」がおすすめです。楽々PDFメーカーはソフトのインストール不要で使えるWebサービスで、PDFの結合・分割・圧縮・Officeファイルとの変換など多彩な機能を備えてます。
たとえば複数のPDF資料を一つにまとめたり、PDFを画像に一括変換するといった作業も簡単に行えます。直感的に操作できる設計なので、PDFに不慣れな方でも安心です。ぜひ無料の楽々PDFメーカーを活用して、PDF関連の作業をもっと楽に効率よくこなしましょう!
